2008年 05月 05日
広間での茶箱点前は、野点形式になります。 瓶掛けはこの場合、火鉢を使用しています。 漱石の随筆に『火鉢』という小品があるのをご存知の方もいらっしゃいましょう。 http://wabisuke.la.coocan.jp/soseki.hibati.html 漱石が書いた『火鉢』は永日小品という作品の中の随筆なのですが、私がその一篇だけ抜粋してページを作成しました。是非クリックしてこの『火鉢』を味わって頂きますよう! 当日の茶席のしつらい、点前座の道具組に、なぜ瓶懸けでなく火鉢を使用したかがお分かりになると思います。 京都漱石の會第一回例会は、日本家屋の会場で行いました。 漱石が西川一草亭に与えた直筆の掛け軸が約束の時間に未だ到来せず。床には一草亭好みの尺八花入。黒田正玄の作で銘は若葉と彫られています。 けまん草は別名鯛つり草ともいいますが、掛け物に変わりてもの申す、、、。1時間あとに待ち人来る。一草亭のお孫さんが軸をかかえて。けれど漱石の書の写真は撮れませんでした。 ほんとうは、「我輩」という茶杓が欲しかったのですが、手持ちがございません。 本物のわが猫はもう姿もう見えなくなりましたしそれでやむなく、だれかの名前のものを出したというわけです。拝領した品をやむなくというのはまことに失礼ですけれども。 お点前は、オレゴンから来られたまるめさんに、半東はハレのははさんでしたか? 私はお茶のほうは皆さまにおまかせで、他の雑事をねじり鉢巻でしておりました。 50名の皆さまにお茶も飲んでいただき、ほっとしたことです。 和敬点ての点前の順序は、のちほどハレのははさんが書いてくださるでしょう! ◇ ハレのはは 述 和敬点は、もともと淡々斎さまが戦中に海軍のために考案なさったというだけあって、質実剛健、無駄のないとても合理的なお茶箱のお点前のように思えます。 (成り立ちの詳しいことは以前わびすけさまがお教えくださっておられますね) お道具類が袋に入っていることもなく、お茶を出すのに古帛紗を使うこともなくいっぺんに2つのお茶碗を運び出せ、おまけに拝見もありません。 一碗と二碗、どちらのお茶碗でおしまいをするかで、少し手順が違うところがありますが、大まかな手順は「卯の花点」とおなじです。 (一碗目でおしまいをするときは、お茶碗を拭き、茶筅茶巾を筒に納めてから、二碗めは拭きません。二碗目でおしまいするときは、後で返ってくる一碗目を拭くまでは茶箱に戻せませんね。一碗目は濡れたままにできませんから。二碗とも拭きます。) 茶箱の中手前には、二つ重ねた茶碗、その中に古帛紗を敷いて棗を入れます。 向こう側に茶筅筒、茶巾筒、振出を入れ、茶杓を茶碗に伏せ、その上に帛紗を捌いて箱の蓋をし、蓋の上に薄板を載せて持ち出します。 建水も持ち出し、勝手付に箱をよせ、膝前に薄板、瓶掛右がわに横にした蓋、帛紗を捌いて蓋を清めたら、茶杓を蓋の右寄りに出し、振出しを客付に出します。 ここで「総礼」。(正客は振り出しを取りに行きます) この後、重ねたままの茶碗を薄板の上に、棗を蓋の上に出し、古帛紗を薄板と箱の間に置いたら、その上に重ねたままの茶碗を置きなおし、上の茶碗だけを薄板の上に出し、茶箱、建水と奥に進めます。 後は棗、茶筅と清めていき、茶筅を茶碗に入れてお湯を入れてから、茶筅通しの前に茶巾をたたみ直して、蓋の上右上に置きます。この辺からは他の茶箱点前と変わりませんね。 書いてみるとずいぶん手数があるので、席中では、点前座にすべて広げておいて、お棗を清める所から始めました。振り出しで、お客様にお菓子を召し上がっていただきたかったのですが、順に並んで座っておられなかったこともあり、雰囲気だけ感じ取ってもらうことに。 一見簡単なかわりに一寸愛想がないかも・・と思われるお点前が、今回のお席では珍しい瓢型の茶箱のお道具達で、とても優雅に変身。グリーンのビードロの振り出しも素敵でした。 けれど、如何せん多くのお客様にいっぺんにお茶を差し上げなければならず、ゆっくりお点前やお道具を楽しんでいただけたかどうか・・はなはだ心もとなく、半東どころか、お運びすら怪しげに勤めさせていただいておりました。 ◇ お道具もお手伝いも皆さまのおかげでございます。これもお茶のご縁。。。ありがたく心から感謝申し上げます。わびすけ
by tsubakiwabisuke
| 2008-05-05 22:13
| 京都
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