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2007年 08月 01日
専門家といいますとすぐ専門バカだとか、仰る方もございますので、れっきとした学者の先達の方々と申し上げます。 私のつたない書きものを丁寧にご覧いただき、ご感想をお寄せくださることを本当に光栄に存じます。 漱石研究家として大家でいらっしゃる方々ですから、お便りにも研究のための示唆を頂戴し、大きい励ましとなります。ありがとうございます。 ◇ 2007/07/31 07:00 松岡陽子マックレイン様(オレゴン州ユージン市) 伊津子様 御心配かけて申訳ございませんでした。元気にしておりますが、夏は、この辺りは最善の気候、湿度が低く、昼間はかなり暖かくなりますが、日が沈むとぐっと冷え、熱帯夜というものがほとんどありません。真昼でも室内で窓を閉め切って暖かい空気を入れないようにすると、エアコンがほとんど必要がない所です。日本で言えば避暑地という感じの所なので、いつも他州や日本からのお客様が多く、夏の間はつい忙しくなります。その上ゲラが戻ったりして、何となく落ち着いてお便りをする暇がありませんでした。ご無沙汰お許し下さい。新書が出るのは十月半ばだそうです。 京都と漱石についていろいろ書かれ、どれも大変面白く読んで、習わせて頂いています。 ちょうど今度の本の中で、祖母が「お父様はなかなかおしゃれだったんだよ」と言っていたことを思い出して書いたので、伊津子様の半襟の話のところ大変面白く読みました。漱石は自分も良い着物が好きだったし、また子供達が奇麗に着飾るのも好きだったそうです。祖母に半襟の御土産など買おうと思ったことも、彼らしいと思いました。 『虞美人草』は漱石自身後で厭だと言っていますね。内容は別として、『虞美人草』だけがあんなにごってりしたスタイルで書かれているので、厭だったのでしょう。後期のものは飾りけなく、平坦で単刀直入な文章で書かれています。ですから、いくら漢字が多くても、それさえ字引で引けば、『心』など私の学生が上級になると、あまり苦労せず読めるようになりました。 私も『門』は好きです。彼の作品のなかで一番暖かいものだと思います。彼が自分で一番好きだと言ったというのがよく分ります。彼の理想の夫婦仲だったのかもしれません。でも漱石の作品は一つ読むといいなと思いますが、また次のを読むと、それもいいと思い始めます。だから、今でも人にどれが一番好きかと言われると、はっきりどれと言えません。芥川は『明暗』をすごく褒めていましたが、あれは少々冷たくて、いくら文学として優れていても、私はあまり好きではありません。やはり個人の好みですね。 今週もお客様があります。来週は、私が1964年に助手として始めて日本語を教えたときの学生たち(もう孫のいる人もいます)が10人くらい、ある者は他市(日本も入れて)に住んでいますが、皆ここに来て集ることになっています。いわば四十年以上前の学生達のクラス会とでも言うものですから、皆で昔を思い出して楽しむことでしょう。 ではまた良いものをお書きになったときは、どうぞお知らせ下さい。いつも楽しんで読み、いろいろ新しいことを習わせて頂いています。 陽子 ◇ 2007/08/01 11:40 内田 道雄様 椿様の達筆・麗筆・速筆に感心しています。折角のご文章なのに、遅くなりました。 『門』は私も、一番大好きだった作品。夫婦愛が共感深く書かれています。「上品な半襟」につきましては「襟善」についての貴重な調査踏まえて「宗助」の愛妻への心情、きめ細かな捉え方で素晴らしいと思います。 『虞美人草』の「初源性」についても同感。吉本隆明の著述等々よくマメにお読みですねえ。椿様がご指摘のこの作品での社会批判・時代意識は言うまでもなく『門』の後半部への転回にも辿れますね。前半の「夫婦愛の物語」はそれによって大きく揺るがされるのですね。 「京に着ける夕」の原体験については水川さんも良く辿ってくれていましたが、今度の椿様のご指摘で安堵!(狩野亨吉、菅虎雄が、誤植になっていました。) 以上お礼まで。 内田拝 ◇ 2007/07/32 11:25 内田道雄様 下記のURLで拝読が叶いました。プリントアウトいたしまして外出先で熟読いたします。どうもありがとうございました。内田拝 http://www.news.janjan.jp/column/tsubaki/list.php ◇ 2007/07/31 09:51 伊豆 利彦様 椿 伊津子さま 漱石と京都というテーマは大事なテーマだと思います。「門」を京都との関連で考えることはしていませんでした。 「門」は私も好きな作品です。これは漱石文学の転換点となったと思います。 今後ともよろしくお願いします。 伊豆 利彦 ◇ 2007/07/27 08:12 伊豆 利彦様 椿 伊津子様 興味深く読ませていただきました。 半えりのことはいままで気づきませんでした。このことから、漱石のことがあたらしく見えてくるように思えます。 ところで、「虞美人草」には衣装のことなど細かく書いているようですが、「三四郎」ではそんなことには無頓着な三四郎の眼で書かれているし、これ以後もあまりそうしたことは書かれていないのではないでしょうか。 「明暗」はどうだろうか。お延の衣装のことなど書かれていたような気がしますが、どうでしょうか。 ご活躍をおよろこびします。 今後ともよろしくお願いします。 伊豆利彦 ◇ 鯰様 (ジャーナリスト) わびすけ 様 魚が水を得たというのはこんなことをいうのでしょうか。 漱石と古都と半襟 この取り合わせの妙を明快に ときほぐすさま これはやはり わびすけさんの独壇場ですね。 おもしろく 読ませていただいております。正直なところ わたしたちが期待していたのも こんな話だったのです。 こころ 豊かに読ませていただいております。 鯰 ◇ 私はこちらの方々とは何度か実際にお会いして、お人柄は充分存じ上げております。 大正時代の香りが残るお方もいらっしゃいますし、昭和ヒトケタの男性は忍耐強いといわれておりますが、やはり現代の若い男性より男性っぽい印象を受けますがいかがでしょう? いえいえ、ちゃんと現代に生きて活躍されている方々でいらっしゃいます。 学ばせていただくご縁を心より感謝申し上げます。 ◇
by tsubakiwabisuke
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| 夏目漱石
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