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2007年 07月 24日
店舗新装につき大売出し 半襟で有名なあの店どっせ ![]() 祇園祭には ヒオウギがつきもの。 ![]() 今度は5階建てのビルになりますよって、この看板は見納めに。 ![]() ![]() ![]() ![]() 夏目漱石先生て、明治42(1909)年10月、漱石は2日間だけ大阪から京都に立ち寄った際、わざわざ四条の襟善に買い物に行っているのです。 それも案内なしでひとり当初から予定していたフシがあります。 半襟と帯揚げを買って18円払っています。日記には「十八円程とられる。」と書いていますから内心は値の高さにおどろいたようです。 さらに更紗の布を物色します。漱石は更紗を好んでおり、漱石山房にも更紗を壁かけにしていたのを見てもその好みが伺えます。 けれども、買い物はここまで。漱石は「女房が気に食はんのでやめた。」ということになったのです。女房が気に食わんといっていることがひっかるじゃぁありませんか。奥さんの土産に高い半襟と帯揚げを買い求めたのはいいとしてもですよ。 私は、祇園祭に出かけたついでに四条のえり善本店へ寄ってみました。私もある品を物色していましたので専務のNさんがやって来ていろいろ話されます。 「あの~~、明治42年頃のことはおわかりではございませんよね?」 「手前どもの店のことでしたなら」 「ええ、その頃お店の奥さんが店に出てらしたとか、今で云う店員さんで女性の方は出てはりましたか?」 「手前どもの店は番頭がでておりまして、女性が出ることはありませんです。何かありましたか」 「じつは、女房が気に食はんのでやめた、と日記に書いている文豪がいるものですから」 「はははは、漱石さんのことですな。あれは漱石の奥さんのことですわ」 「あら、そうでしたか」 なるほど。昔の大だなには番頭がいて主人の奥さんが出る幕はなかったようですね。 いや、もしかしたら鏡子夫人のことではないかもしれない、なんて思った私がおかしいのでしょう(笑)。 夫人のことについて現代人のような愛情表現をしない明治の男だった漱石は、愛人のいない文士としても珍しい存在でした。気鬱の病のためにある時は離婚を言い渡したり、さんざん当たり散らすことはあっても、生涯ひとりだけの妻を守った節操のある夫だったと私は思います。 それでは当時の18円というものがどれほどの貨幣価値があるかを、明治40年代の物価をもとに見てみましょうか。 適当なのがみつかりませんが、約10年後の授業料なら以下の通りです。 ◇ 東京理科大 ◇1919年(大正8年) *授業料月額3円50銭に改定 授業料を月額3円50銭に改定。前年、米価が暴騰して各地で米騒動が起きるなど物価は不安定になっていた。これより前の12年、東京大学の授業料は年額35円、早大年額50円。慶大年額48円(いずれも文系)だった。 ☆ 明治40年に逆算して、東京大学の授業料は月額約3円。早大月額約4円。慶大月額4円。 漱石が買った半襟と帯揚げは、たしかに高価ではありましたねえ。 きっと刺繍入りの立派なものだったに違いありません。 帝大出の漱石の給料も書いておきましょう。 明治28年 松山中学英語教師 月給80円。(校長は50円でしたから破格の高給でした) 明治40年 朝日新聞社入社 月給200円。 ◇ 店のPR 「京都の「ゑり善」は、半襟の専門店として、400年以上も昔の天正12年に創業。次第に高級呉服、和装小物も扱い、上流階級婦人方に愛される店として地位を築く。京都本店のほか、銀座、名古屋の計3店舗。名古屋店も。」
by tsubakiwabisuke
| 2007-07-24 14:31
| 夏目漱石
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