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2007年 03月 25日
ハイビジョン特集「パリ・オペラ座の弁慶」 今夜午後七時からNHKBSで放映されましたね。ご覧になった方も多いことでしょう。 パリ・オペラ座で行われる史上初の歌舞伎公演。 市川團十郎・海老蔵親子が演じるのは歌舞伎十八番の「勧進帳」。 これは、3月23日の初日の模様だそうですが、いやぁ~、もう感激いたしました。 團十郎の弁慶。海老蔵の富樫。亀治郎の義経という配役。最初に役者の口上があり、なんとフランス語ではっきりとイチカワ、、、とテンポよく行われたのです。観客席は拍手喝采。 舞台の作りも本格的で、長唄の演奏がこれまた素晴らしく三味線・鼓の囃子方のかもし出す品格ある民族音楽。退屈させない劇的な流れ、まさに世界に誇れる歌劇としてこの「勧進帳」を見ました。 昔習ったことのあある長唄ですから、次にくることばも自ずと出てきますし、最高レベルの奏者たちです。やはり、伝統はそのままの形がベストだと思いました。西洋風にアレンジしていないのがよかったですね。 富樫は昔からとびきりの美男子の役です。海老蔵は適役でした。 昔みた時は、菊五郎の義経でした。今回はすこし華がなかったようにも(すみません。) 弁慶の主君を思う心を感じ取った富樫の表情。抑えたなかに男の美がありました。 勧進帳と見せかけた巻物を高らかに読み上げる場面は圧巻でしたが、富樫から振舞われた酒を豪快に飲み干し、感謝と喜びを表現する弁慶も素晴らしかったです。 團十郎は、日本文化を誇りを持って伝えたいと語っていました。テーマは日本人の「仁」「情」。 団十郎さんら初日終える パリ・オペラ座歌舞伎 朝日新聞 終了後にフランス人観客は理解できた!音楽がいい、衣装が素晴らしかった!と口々に喜びのコメントをしていました。 ◇ 私は「不易流行」(ふえきりゅうこう)という言葉を考えていました。 よくいわれることばですが、生活の中に実感はなかなか湧かなかったのです。それが今日の歌舞伎を見てこれだ!と強く理解できたのです。 「不易流行」はどのようにしていわれてきたのでしょうか。それは次のようなことだったのです。 元禄2年(1689年) 芭蕉46歳のとき 12月 京都滞在中、去来に「不易流行」の理念を説いています。 「奥州行脚の前はままあり。この行脚の内に工夫し給ふと見えたり。行脚の内にも、あなむざんやな甲の下のきりぎりす、といふ句あり。後に、あなの二字を捨てらる。是のみにあらず、異体の句どもはぶき捨て給ふ多し。この年の冬、初めて不易流行の教を説き給へり(去来抄)」 「不易」というのは時の流れによっても変わらないということ、そして「流行」というのは時の流れとともに変化してゆくこと。一見相反するようですがこの両方がなければならないと説いているのではないでしょうか。 周囲の変化の中で本質的な『自分』を保ち続ける。自らが変化していく過程と申しますか。「不易」と「流行」とのバランスを常に考え到達したのが芭蕉だったのではないかと思います。 今の世の中は流行が突出していますし、国の教育方針もやれゆとり教育だの変更だのころころ変わりますよね。 日本は、これから伝統の変わらない良さを守っていくことが必要ではないかと思います。 オペラといえば西洋のものと思わないことでしょうね。 こんな見事な歌劇がわが国にはあるのですから。 歌舞伎! 「勧進帳」。 白血病を克服された市川團十郎さんに、感動するばかりでした。 ◇ 團十郎さんのこと。 歌舞伎の市川団十郎さんは抗がん剤の副作用とかで丸坊主であった。痛々しいという感じはなく、「病気は完治したと思っている。5月から舞台に立つ。」と力強く朗らかに言明。場内から拍手が沸いた。 団十郎さんは、歌舞伎の中には世の理不尽なものをリアルに描くことで時代を超えて訴える力がある。また、先人から受け継いだ誇りがある。日本の伝統文化は年配者にやさしい文化だ。高齢であっても力があれば正当に評価される、と続けた。 これらの発言は会場の視聴者に多くの感動を与えたようであった。団十郎さんはことし59歳。昨年襲名披露をした坂田籐三郎さんは昭和6年12月生まれと聞くから74歳で歌舞伎界のトップスターである。まさに世界に誇っていい日本の「やさしい文化」である。
by tsubakiwabisuke
| 2007-03-25 22:15
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