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2006年 09月 13日
秋風に ほころびぬらし 藤袴(ふじばかま) つづりさせてふ きりぎりす鳴く 在原 棟梁(むねやな) ![]() Photo by.Atsushi Yamamoto 秋風に藤袴の花がほころびたようだ。 こほろぎは「つづりさせ、つづりさせ」と鳴いている。 ◇◇◇ この歌を、岩波の『日本古典文学体系』のなかから探したのは、もう随分前のことです。 淡々斎の茶杓で 歌銘 秋風 というものがありました。 写真をお見せできなくて残念ですが、淡々斎の流麗なかな文字も竹の質もいい品。 箱には、 「古歌に」 という但し書きがあり、筒に上の和歌が書かれているのです。 もちろん 作者名は書かれていません。 作者を知りたいと思った私は、古今集に在原の棟梁(むねやな)という作者の名をみつけ、安堵したのを覚えています。 「在原むねやな・・・在原棟梁。業平の子。清和・陽成・光孝・宇多・醍醐の五代に仕え東宮舎人から十五位上筑前守にいたる。三十六歌仙の一人。古今には4首入集。」 ◇◇◇ きりぎりすは今のこうろぎのことです。 「つづりさせてふ」、というのはこうろぎの鳴き方ですが、縫いがほころんだ袴にかけて歌うところがなかなか面白いのです。 秋の七草のひとつである藤袴の花。ほころんだというのは花がひらく形容であるとともに、ほころんだ袴を連想しているように私には思えるのです。 当時、貴族の男性が、ほころんだ袴を連想してそのほころびを縫うことを歌にするのも一興。 ツヅリサセ、ツヅリサセ、とこうろぎが鳴いているよと、女性の仕事を男性がとってかわって、裁縫を虫の音にかけて詠っているところ、今ならなんでもないでしょうが新しい男性像を思い浮かべます。 現代なら袴ではなく、さしずめGパンですかね。 ところがそれを身につける今の男性は、ほころび、破れたのを喜んでいるようですよ。 デパートにもわざわざ破れて、穴の開いたGパンがたくさん売られています。それがオシャレなんだそうですね。 もう、こうろぎがツヅリサセ、ツヅリサセ、といって鳴いても風雅な歌にはなりません。 秋風、という茶杓の「歌銘」に、ふとそんなことを思ってしまいました。 有名な「きっこ」さんのブログで虫の音が紹介されています。 こちらです。 ★コオロギの鳴き声★
by tsubakiwabisuke
| 2006-09-13 03:21
| 京都
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