2006年 06月 12日
京都の地で、長年住み慣れた木造の古家で、主人といっしょに暮らしている日々。 最近、しあわせだなぁ~~としみじみと実感することがしばしばある。 主人は、哲学を専攻する学究だから、理論家で理屈っぽい人ではないかと思う人もいたようだけれど、それは全く違う。 私が解らないことなどを質問することがよくあるが、主人はけっして教えるという態度で話したことがない。 「オレもよく解らないが…。」と言いながら平明なことばでとつとつと話してくれる。 また、書棚から分厚い辞書を取り出してそれを丁寧に見ながら、「ここを見てご覧。」と言う。 こう書いてくると、なんだか劣等生の面倒を見る教師のような感じになるが、私たち夫婦は実際そうなのだ。ジェンダーフリーを主張する女性たちからは嫌われるだろう。 主人が京都大学で論文博士の学位を授与された過ぎし日の思い出も、勤務校の大学で大学院文学科長をつとめた日々のことも、私には人生最大の仕合せであった。 でも当人は、そうしたことを全く忘れたかのように恬淡としていたし、その性格は今も変わらない。私にはとても真似ができないと思う。 定年で退職してからも、一応名誉教授の名を頂いてはいるが、午前中は書斎で研究の時間を過ごしている一研究者だ。 午後になると買い物や家事の手伝いもしてもらっているが、猫のお世話もしてもらう。 主人が退職後に書きあげた書物が、最近上梓されたがそのことが、私にはこの上ない贈り物であった。先に私の仕合せの実感…と書いたのはこのことである。 学術書のなかでも訳注の本はなかなか困難な仕事とされている。30年がかりで1巻と2巻の二冊を上梓。これもお世話になった大学の出版部で実現したのだった。ネットで検索したところ、学術書だけでも主人の著書はかなり出てきた。主人に心からお礼を言いたくなる。 猫がここ数日、食事を食べなくなり、衰弱してきた。獣医さんに相談すると口内炎だろうから明朝一番に猫を連れて来なさい。とのことだった。嫌がる子を洗濯ネットに入れて病院通いをしなければならない。もう17歳の長老さんだから大人しくしていて欲しい。
by tsubakiwabisuke
| 2006-06-12 02:39
| 京都
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