2006年 07月 03日

桐蔭会 7月例会 七夕の趣向でした

今日、七月二日、桐蔭会例会に行ってきました。

正会員の大森さんといえば、京都ではあの道具屋さんですかと待合で話す方もありましたが、そうではないのです。

大阪の茨木にお住まいの「弁天さん」という宗教法人の当主といいますか、信者の方々からは教祖になる方の2代目とお聞きしています。女性は教祖に向いているというか、霊能がある方なんでしょうね。



上は数年目に撮影した写真です。今はカメラを持参したことはありません。罪人扱いをされますよって(笑)。


待合は、玄々斎自画賛。梶の葉に筆の墨絵に和歌がしたためられています。

幾あきも…に始まる歌で、最後は「星逢いのそら」。牽牛と織姫の「ちぎり」の文字も読めましたが、歌全体は忘れてしまいました。読みやすい流れだったのですが。

本席は、四畳半台目の広さに15人の客がヅラリ。正客には直門の先輩の下里宗恵さん。固辞されるのを皆で拝み倒すようにして坐っていただきました。きっすいの京おんなというにふさわしい方です。雰囲気が上品な上に、道具を見る目もお持ちです。


床は、桓武天皇皇女 池上内親王御願 大般若経跋文 。つまり写経を軸にしたものです。

花、ルイヨウボタン シュウカイドウ 。類葉牡丹という名前は初めて聞きましたし、花が咲き終ったあとの小さい青い実がついていました。

花入、天龍寺青磁 不遊カン。
この花入れに対してボタンの名のあるものを選ばれたのでしょうか。

釜 与次郎作 原叟箱。ベーシックな形、地肌も落ち着いたもの。いい道具は飽きのこないものです。

水指 利休所持 宗旦直書 木地釣瓶 
しっとりと水に濡らした古い木地のつるべは実にいいふぜいでした。

水指の前に茶入。今日は濃茶のおもてなしです。ご正客はもとより皆さまのおよろこびのご様子。

やがて点前が始まりました。

ご亭主は、きさくに話をつづけられます。
「今日は道具の取り合わせで、どうしても濃茶になってしまいました。」

正客がそれを受けられます。
「そうでございましょう。こうしたお掛け物でございますから」


「午前中、雷もなっていましたが、大宗匠がおみえになったときにさっと晴れて…、不思議なものでございますねえ。またお帰りなるときにぱっと蛇の目の傘を開かれて、それがピンクの傘で、もう助六よりも…」。

あとは主客ともども微笑…。

茶が点てられ、三客まで回されました。
茶碗  黒 平 のんこう 直書き こころ しれ 一灯箱。 

茶碗の2箇所に、「こころ」 「しれ」 と はっきりと読めます。本来なら薄茶にふさわしい茶碗かもしれませんが、ここはお数寄者の方ですからこれでいいのですね。たっぷりとした名碗でした。素晴らしい銘があったものです。さすが、のんこうです。

次碗は釘彫りの伊羅保。

いよいよ、茶入れ・茶杓の拝見になりました。

茶入 遠州蔵帳 古瀬戸 芋の子 銘 七夕。仕服 白極緞子。


「一年に一度しか逢えないいい茶入れだという話から、それでは七夕という銘にしようという古人の逸話がございまして。」

芋の子の形ですが釉薬の流れが幾筋もあって、そういえば天の川にもみえるのです。
銘のつけ方もおもしろい一品。遠州さんはなかなかの方ですよねえ。

茶杓 坐忘斎家元作 織衣。


台目の仕付け棚に 替え茶器がありました。
中棗 黒 蓋裏に 残月の文字。たしか仙叟の筆だとか仰っておりました。


たなばた 乞巧奠(きっこうでん)の趣向は、7月の茶席にはなくてはならぬものになっています。けれども、本来は旧暦による「五節句」の一つで、今の新暦で言えば8月に入ってからの行事だったのです。

ですから、そのころは梅雨の雨はなく、空は晴れて夜は天の川もよく見えるのですね。
ちなみに暦にお詳しいかわうそさんのページを参考にさせていただきましょう。


七夕の節供
(しちせき) 七月七日 笹の節句
たなばた 中国から伝わった牽牛星と織女星の星祭り伝説が元。日本では古来からあった「棚機つ女(たなばたつめ)」の伝説との類似性から七夕の日として定着。女子が裁縫や手芸、書道の上達を願う行事。


また、ことし、2006年の七夕は立秋のころ。 8/08 秋の気立つ。午前1時ということになります。

これによって、待合席の和歌に「幾あきの」とある秋の意味が理解されると思います。
私自身、どうして秋なのか?と不審に思ったのでした。
でも、そうした二十四節気のことを後で調べて納得したわけです。

ご正客は、大正末期のお生まれとか聞いておりますが、そうした故事もよくご存知でした。
私などはまだまだダメですわ(笑)。








by tsubakiwabisuke | 2006-07-03 00:44 | 京都


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