2006年 06月 13日

猫の主治医に叱られました

朝一番で獣医さんの診療所へいかなければならない。
私がでかけるのなら簡単だけれども、なにぶん主人公は猫である。

7時ころから居間の戸を閉めて主人公が外にお出にならないように準備する。
それから洗濯ネットを気付かれないように手許に置いておく。

朝の挨拶のニャア~の声を聞けたのでダメモトと思いながら、小さいネコカンを開けて皿に入れると意外にも口をつけた。
おや、今日は調子がいいみたい。ゆうべは主人がこの子のために買ってきたヒラメの刺身やウナギのかばやきにも、もの憂げに目をそらしていたのに。

そうして結局、人間たちはおすそ分けで頂くはめになる。でもお前が食べてくれないと寂しいよ。

猫はサッカーボールくらいの大きいガラス鉢に入っている水は、首をつっこんでピチャピチャと飲んでいる。毎日この様子を見ているので、それほど重症ではなく老衰だから仕方がないなあと、主人と話し合っていた。

しかし、獣医の先生から「口内炎かもしれないから。」といわれ、それなら痛くて大変だとはじめて病気だと気がついた。うちの猫は獣医さんのところに行くのが大の苦手で、ヤバイと察したらどこかへ消えてしまうのだ。そのため、こちらもつい猫に負けてしまうのだった。

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しかし、機は熟した。
運よく私の近くに寄ってきたかれを、洗濯ネットに無理やり押し込んだ。
それからタクシーを呼んで目指す診療所へ駆けつけた。30分はかかる距離だが、その間車中でなんとも悲しい泣き声を出してなき続ける。(拉致されたなんてと思うんじゃないよ。)

獣医科の診療所では先生とアシスタントの若い女性が朝一番の患者を迎えてくださった。

「う~~ん。口の中をよく見なさいよ。歯石がこんなについているからね。」
ピンセットで歯石を取られたあと、点滴をすることになった。二つの袋から点滴がすすむ。
「腎臓がひどく悪い。脱水症状が出ている。抗生物質と食塩水を入れているのですよ。」

あら、先生。猫は塩分が悪いと聞きますが…といった途端、先生はギョロリと私を見た。
「真水を人間に点滴したら死ぬよ。猫も同じ。塩分とか言う以前の問題だね。」

すみません。無知なものでして…とは口にしなかったがセリフは出掛かっていた。
とにかく点滴が終わった。相当悪い状態のようで来るのが遅すぎたのかもしれない。
老衰だと頭から決め込んでいたことを後悔した。

これで調子がよくならないようなら腎臓で見込みがないと諦めるんですな。」
人間の「透析」と同じことを猫に施療したようであった。
先生が追い討ちをかけるように言われたのは、患者のあるべき態度を諭されたのだろう。

うちの猫は、もともと腎臓病で亡くなったお祖母さん猫の子が母猫となって生まれたのだった。
そうした体質は遺伝しているようだ。水をあんなに飲んでいたのに脱水症状だったとは。
先生に見てもらったことを感謝した。

写真は獣医科でくださったうちわである。
他にも写真はあるのだが、なぜかアップロードできない。


まだまだ失敗談は、続くのである。

点滴の後、かれは元気になったようで哀れな声を出すこともしなくなった。ほっとした。
そこで調子に乗ってこういったのである。
「先生、ノミトリの液体のクスリ、ありますか?首のうしろにつける分、1つ欲しいのですが。」

先生は笑いながら言った。
「この子が元気になってからにしなさい。クスリはあるからあげるけどね。
大体瀕死で救急車に乗ってる患者が、これから美容院に行ってパーマかけますって言うのと同じですな。」

いや、まいりました。治療費も良心的で、人間として信頼できる猫の主治医です。
府立医大でかつて若き日、医学博士の学位を取られた異色の獣医さん。もちろん私より年上です。

そうでした。私がこの先生のことに一部分触れた記事が、じつはJanJanのデビュー作だったのです。

10・13 猫にかじられて足の指を失った記事について
http://www.janjan.jp/living/0510/0510103605/1.php




by tsubakiwabisuke | 2006-06-13 01:23 | 京都


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